TEAM関西 スタッフの関西医科大学6年の千手孝太郎です。
7/16(土)に開催いたしました、「全員知った方がいいことの勉強会」のご報告です。
今回の勉強会は、周産期救急・キャリアをテーマに大きく2部構成で行いました。
前半では、目の前で倒れている人が妊婦だったら、という設定のもと、提示されていく究極の2択を選びながら、RPG形式で周産期救急を学びました。
また、緊急時対応だけではなく、母子手帳の有無やワクチン接種歴、パートナーの存在といった社会的背景の可能性をディスカッションし、参加者同士で考えを深めていきました。
後半では、周産期救急だけではなく医系技官としてのキャリアをお持ちの前中 隆秀先生に、周産期救急について、日本の周産期医療の現状と共に教えて頂きました。先生が現在に至るキャリアの経緯や将来の展望を伺った後、多職種連携のアイデアをテーマにしたディスカッション、質疑応答を行い、大いに盛り上がりました。
私自身、そもそも周産期救急という分野に聞き馴染みがなく、今回勉強会を行うにあたり初めて知ったことも多くありました。
妊産婦死亡の原因疾患の約1/5が産科危機的出血で、最初の30分でいかに治療できるかで予後が大きく変わるそうです。
だからこそ多職種連携でようやく救える命であり、それぞれの職種での文化が違う上でどう連携するかが重要であると先生はおっしゃっていました。
実際にこのようなことがあったとき何を考える必要があるか、スタッフ同士でも議論していく中で、医師としての対応、多職種連携など、より広い目線で勉強していく必要があると感じさせられました。
一刻を争う救急領域において、患者さんが妊婦であったことが原因でたじろぎ、対応が遅れてしまうことはあってはなりません。
だからこそ、我々医療系学生における「全員知った方がいいこと」の一つとして、周産期救急の分野があると考えています。
臨床と行政の二つの切り口から考え、防ぎうる周産期死亡数を0にしたいという前中先生の想いに触れた、週末夜の勉強会となりました。
参加してくださった皆様、そしてお忙しい中、我々の考えを受け止め、あたたかく導いてくださった前中隆秀先生、本当にありがとうございました。
■皆さまのお声、一部ご紹介
「医系技官のお仕事を知る機会はなかなかなく、また講義で学ぶようなBLSと違った、より実践的なBLSを教えていただき、とても勉強になりました。 」
「医療では患者さんを医療人みんなで支える姿勢、システムが必要不可欠であり、その為に普段から縦と横の繋がりを作っていくことが大切なのだと勉強になりました。 」
「臨床医から厚労省、そしてこれからのキャリアをありのまま教えてくださり、前中先生でも迷ったり勢いで決めたりすることがあることを知り、大変、勇気づけられました。 」
「自分の打ち込める分野を見つけて、その分野で5本の指に入る気持ちで取り組むと良 いというお話が印象に残りました。そういう分野を見つけられたら、自分に必要なことや必要とされる ことが分かってきて、進む道が決まっていくのだと感じました。 」
アンケートにご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
「大学では学ばないことを、大学の枠を超えて」
TEAM関西は自由に学ぶ場をこれからも創り続けます。
TEAM関西 2022年度幹部・スタッフ一同
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【開催日時】
2022年7月16日(土) 17:00~19:00(懇親会~19:30)
【開催場所】
Zoom
【講師】
厚生労働省医政局地域医療計画課 災害等緊急時医療・周産期医療等対策室 前中隆秀先生
【プログラム】
#1 ひとがたおれています。
#2 みちにまよっています。
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